四季折々、山旅で見つけた自然との出会い
自然観察の持ち物と服装 |
一般的に自然観察の服装は、自然に対する違和感がなく、活動的で、安全かつ保温にすぐれ機能的であ ればとくにこうでなければならないというきまりはありません。しかし山の自然観察は平地や山麓での 観察だけでなく登山をしなければならないのでその季節に合ったトレッキングスタイルでも構いません
自然観察の目的に応じて必要最小限のものを選択することが大切です。自然観察のほかトレッキングと しての用具や装備もありますので、登山だけの目的よりも持ち物が多くなります。高価な、あるいはた くさんの道具があればよい観察ができるというものではありません。むしろ、身近にあるもの、あり合 わせのものを改良したり、創意工夫して自分なりに使いやすいものを作ることのほうが、より愛着もわ き、楽しい観察となります。いずれにしても道具や服装にこりすぎるのは感心できません。それらにお 金をかけるくらいなら、山や野外に一回でも多くでかけて下さい。 |
●観察用具 双眼鏡は7〜9倍程度の倍率で、対物レンズの口径が30〜35ミリくらいのものが使いやす くていいと思います。また双眼鏡には、中ぐり式と両ぐり式がありますが、中ぐり式の ほうがすばやくピント調整ができ便利です。その双眼鏡の皮ひもは、目標物をすばやく 視野のなかにとらえられるように、胸のあたりにくる長さに調整しておきましょう。ル ーペは10〜20倍程度の繰り返し式のもので、ひもをつけて首から下げ、胸ポケットに入 れておくと使う時に便利です。鳥や獣の観察では25倍程度の三脚つきスポッティングス コープ(望遠鏡)があると便利です。 | |
●記録用具 フィールドノートは、ノート式、カード式などいろいろありますが、自分が使いやすく また整理・保存しやすいものを選ぶのがコツです。筆記用具は、HB〜2Bくらいの濃さの 短い鉛筆がよく、しんは鈍角にけずっておいたほうがおれにくいです。万年筆、水溶性 サインペンは水にぬれるとにじむのであまり適しません。そのほか、必要に応じて四色 ボールペン、色鉛筆、カメラ、録音用カセットレコーダーなどあると便利です。 | |
●計測用具 インディアン法やナポレオン法などの簡易測量法をマスターしておいたり、自分の歩測 指を広げた長さ、目の高さなど自分のからだをものさしにして憶えておくと便利です。 時計はラフなフィールドワークにたえるものがよく、雨天や水中でも気にせず使える完 全防水タイプで、時間経過のわかる回転リング付、夜間観察にも役立つ夜光塗料の文字 盤、電池切れの心配のない自動巻が望ましく、重さ、大きさの点からも、レディース・ ダイバーズウォッチをおすすめです。 | |
●救急用具 ハサミ、ピンセット、毛ぬき、体温計、滅菌ガーゼ、脱脂綿、包帯、綿棒、絆創膏、カ ットバン、三角巾、消毒薬点眼薬、軟膏、整腸剤、湿布薬など必要です。これらは普段 の登山にも必要なものです。 | |
●その他 必要に応じて連絡用の手鏡、白荷札、懐中電灯、(観察対象によってはサーチライト型 が便利)、方角や地形を知るための地図(国土地理院発行の2万5千分の1、あるいは市町 村役場で手に入る1万分の1)、方位磁石(雪上自然観察をする人にはオイル入りがよい) キルビメーター、高度計など。ゴミ持ち帰り用ポリ袋、輪ゴムも忘れずに用意します。 ナイフは肥後守でも十分ですが、スイスアーミーナイフ、ライフツールも便利です。最 近、無神経に鳥笛(バードコール)、鹿笛を持って歩く人がいますが、これは一種の安 易なえづけや採集と同様の行為で、感心出来ません。私たちは、苦労しても自然の中で あるがままの姿をじっくり観察する努力をしましょう。 |