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槙沢コース解説

茂来山々中から流れてくる槙沢に架かる橋の傍らの登山口から山道に入る。草地の登山道は渓流の瀬音を 聞きながら緩やかに続く。時折樹間から緑葉にしぶきを飛ばす渓流も見られ疲れを癒してくれる。草地の道 に岩ゴロの目立つ場所に来ると、堆積された岩の下からゴーゴーと地下水が流れる音が聞こえるので耳を澄 ませて聞いてみよう。 　ほどなく二つの尾根上から流れてくる沢合流地「二股沢」に辿る。登山道は左方に延びている渓流沿いを 行く。下草が刈られた道は緩やかに登り、いつしか渓流音が途切れる源頭付近となる。数メートル道から外 れた源頭の岩間から冷たい水が湧き出ているので水分補給をしておこう。この源頭辺りが尾根の取っ付きで ここからジグザグ急登が始まる。コナラやクヌギの潅木が林立する道は、コース上最もきつい登り坂だ。潅 木に雑じって白樺林が前方に現れると急登も一旦終り、北尾根に出会い「白樺平」鞍部広地に辿り着く。源 頭から続いた急勾配は終り傾斜も幾分穏やかな小尾根を行く。しだいに尾根が狭くなってくると岩塊が現れ るが、巻き道がないので岩頭を攀じ登って越える。数ヶ所の岩塊を過ぎた辺りから、小尾根はいつの間にか 主尾根に溶け込んでいる。 　登山道は主尾根の北側中腹を左に巻きながら進むが、雪の少ない佐久地方では珍しいブナの大木がこの辺 りで見られる。林床にシダ類と草が群生する平坦道になるとほどなく左から登ってくる霧久保沢コースの分 岐地点となる主稜線だ。しばらく平坦道が続くが、大岩が道なかに露出していたら一息で茂来山々頂に辿り 着く。二等三角点と二つの石祠が並ぶ狭い山頂からは、佐久平の風景が眼下に広がる。

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