権現岳無雪期コースマップ ReturnHome

観音平登山口からのコース解説
観音平登山口から編笠山登山道を押手川分岐まで辿る。分岐から右方の山中に入り、編笠山と権現岳
の稜線鞍部にある青年小屋へ直接辿る。分岐の標高が約2100m、青年小屋のある付近が約2400mで標
高差は僅か300mの緩やかな登りとなる。青年小屋前の広地に立つと、西方の編笠山東斜面が覆い
かぶさるほど大きく迫り、東方の低木樹林帯の上には鋭く尖った擬宝珠岳と並んで権現岳稜線が見え
る。権現岳へは山荘前の草地の道を直進する。南方に富士山がいつも望まれる登山道は、登りも苦に
ならず山岳プロムナードと言いたいほど。低木樹林帯を抜けるとハイマツ帯が現れ、ほどなく赤ザレ
の展望地「のろし場」ピークとなる。間近に見る擬宝珠岳西壁の垂直に切れ落ちる懸崖は圧巻だ。の
ろし場からは一旦ハイマツとシャクナゲの混生する低木樹林を緩やかに下っていくと懸崖脇に取り付
く。この辺りから急登のジグザグ道が始まるが、眺望も然ることながら、植生も豊富でシーズンには
高山植物が咲き誇る。ジグザグ急登が終わるとコース最難所でもある擬宝珠岳直下の南斜面に取り付
く。クサリと三点支持で慎重に岩場をトラバースしながら通過すると、権現小屋が前方間近に見える
岩頭に出る。ここから数分で擬宝珠岳ピークに立つことは出来るが、急斜度の岩場を戻らなければな
らないので慎重に下降しよう。
権現小屋は擬宝珠岳と権現岳の稜線鞍部に建つ昔ながらの小さな山荘で、ここから権現岳ピークへは
10分とかからないのでザックをデポして登ったほうが楽かも知れない。岩塊の山頂は一人立つのが
やっとで、数人並んで記念写真を…なんて無理、岩頭南側の祠を詣で山荘に戻ろう。権現小屋から下
山口の観音平まで戻るには、三ッ頭経由、押手川経由どちらの下山コースでも3時間以上はかかるの
で、遅くとも昼前後にはここを発ちたいものだが、時間に余裕がなかったら小屋泊したほうがいいだ
ろう。朝夕、山荘から東西の眺望は素晴らしく、特に編笠山後方に連なる南アルプスを紅く染める夕
日は想像を絶すると言う。
長野県山岳ガイド・ホームページ