長野県の山岳ガイド |
よしだやま吉田山(1450.3m)高森町 |
中央アルプス南部の主稜線から派生する支尾根末端にある吉田山は、南隣にある風越山と同様、昔 から山麓の人々に親しまれてきた山だ。それは山からの眺望より東麓を流れる天竜川畔のどこから も見えるからかも知れない。登山口から見られるヒノキ林、シラカバ、ミズナラなどが生い茂り、 地元の小中学生が学校登山で登るため登山道も良く整備されている。登山コースは堂所森林公園か らキャンプ場跡を登るコースと、燐政寺から戒壇不動を行くコースがあり時間的には大差がないが 下山に大島川源頭にある不動滝を見るには公園コースのほうが良い。 |
早春の登山道、いかにも里山らしい ■2007.3.17 |
イラスト登山コースマップ |
下伊那・竜西エリア・目次 |
登山口までのアクセス 中央道松川ICを出て最初の信号を右折し県道を行く。途中「追分」の信号を右折すれば隣政寺(瑠 璃寺)登山口へ、直進し「上市田」の信号を右折すれば不動滝方面へ続く。右手に水道浄水池が見 えると登山口まで二百メートル。登山道入口道標から林道と分け、右屈曲すると枝線終点まで行く ことができるが、登山口道標からショートカットして歩けば五分足らずの場所。 ■駐車地:林道不動滝線の登山口付近広地に数台、枝道終点に数台 ■トイレ:浄水地のある高森公園道沿いにきれいな公園トイレ棟がある コース解説 林道枝線を行かず登山口道標脇にある山道をショートカットすると枝線終点まで五分とかからない。 終点にある橋入口に「熊注意・音の出るものを身につけて…」の立て札があるので単独若しくは二 人称登山の場合は熊除け鈴をつけたほうが良いだろう。潅木林の密集する里山は野鳥も多く、パー ティ登山で複数人が鈴を鳴らすとただ煩いだけで、小鳥の囀りを聞くことが出来なくなるので考慮 したい。 沢を二回ほど渡るが、最後の橋は丸太を二本並べただけなのでバランス良く渡り切ろう。丸太橋を 過ぎるとほどなく木段の道が現れ、その周囲は鬱蒼と茂るヒノキ林、心地よいヒノキの香りがして くるので森林浴気分で歩ける。ヒノキ林を抜けると赤松林となるが薄暗かった登山道も大分明るく なり、林床にイチヤクソウの群生が目立ってくる。ターンを幾つか繰り返しながらいつのまにか主 尾根に辿りつき、緩やかな上り坂になる。歩きだして一汗掻く頃、足元の境界石柱を見ればほどな く白樺が一本立つ1080m地点となるので小休止しよう。 白樺を過ぎ、左手にコメツガが一本立つ辺りから次第に勾配が増してくるが、登山道右側に目を向 けると、伊那谷の街並みが潅木林の間から見え隠れする。さらに潅木林がカラマツ林に変わった辺 りが1200m地点、谷を挟んで吉田山の稜線が見えてくる。尾根面をトラバース気味に一旦下り 登り返した先が展望の良いキャンプ場跡地。赤松の巨木やミズナラが数本立つ広地は休憩適地とな っており、道標には標高1259mと記されており、傍らには文字が掠れかけた古い山岳座標板も ある。キャンプ場跡から少し先に分岐道標が二つあり一つは「与一沢林道」方面、もう一つは「出 原」方面となっているが吉田山へは直進する。ここからジグザグ急登が始まるが100mほどの標 高差を一気に登りきらなければならない。登りきったところに山頂まであと二十分の道標があり平 坦道が暫く続く。周囲にブナ林が目立ち、右側が深く落ち込むヤセ尾根を過ぎると最後の急登に取 り付く。ブナの根張りや岩ゴロもありコースの核心部とも言える。一息で吉田山山頂に辿り着く。 眺望はキャンプ場跡より見劣りするが東方の樹間から塩見岳や荒川岳など南アルプスが見える。下 山は往路を戻れば間違いないが、バリルートを開拓すれば山頂西方にある不動滝までろう。 |
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