高遠山 奈良井宿コースマップ 高遠山 HomePage→ |
奈良井宿コース解説 |
車で林道を登山口間近まで行けば楽だが、時間的に三十分ほど多くかかるだけだから古えの街道と 宿場町を歩いて行くのも良いだろう。駐車場脇から奈良井川に架かる太鼓橋(奈良井大橋)を渡り奈 良井宿場通りに入る。昼間は観光客で賑わう宿場通りも、朝は道を掃除している店の人がたまにい るだけで、街道情緒がたっぷり味わえる。 宿場通り北端に奈良井駅があり、その三十メートル手前左の林道へ入る。二回ほど大きくカーブす ると集落もなくなり、前方にヒノキ林が見え、NTTドコモ中継施設棟横に辿り着く。斜向かいに は「ドウボラ沢」看板が吊るされた古い小屋があり、脇には湧き水用ドラム缶が置かれている。舗 装された林道もここからデコボコ道となりさらに狭くなるので、車利用の場合この辺りに停めたほ うが良いだろう。 ヒノキ林に囲まれたこの林道は尾根東斜面中腹につけられ鳥居峠まで辿る旧街道、歩き易い道を五 百メートルほど行った先右手に75番高圧線巡視路の標示板が見えてくる。文字は判読出来ないが 登山口らしき道標板が取り付けてあるので、林道と分けここから山中に入る。樹脂製階段を100 mほど登ると、道は右に屈曲しほどなく75番鉄塔直下へ辿り着く。巡視路もこの鉄塔下で終わり ここからヤブが少々煩い枝尾根直登が始まる。展望も利かず登山道もはっきりしていないので先人 の赤テープを目印に尾根中央を忠実に登ろう。途中、鳥屋場跡と思われる大きな窪みが四つ並んで いる脇を通るが、この辺りで急勾配も約半分終わり一息で主稜線に出る。はっきりした登山道が南 北に延びているが、分岐道標は無く間違え易い場所なので、ここは小休止しながら地図で確認しよ う。左折南方向は稜線伝いに鳥居峠へ辿り、高遠山へは稜線から西斜面鞍部に一旦下らなければな らない。最低鞍部からは登り返しのササ地斜面が待ち構え、さらにジグザグ道ではなく勾配のきつ い直登となる。しかし登山道周辺のササは刈り払いされており、急登さえ我慢すれば意外と歩き易 い。枝ぶりの良い赤松の大木脇を過ぎるとほどなく二又松が見え、直登も中間辺りとなる1350 m地点。眺望は良くないが小休止適地だろう。山頂まで残り標高差100mほど、もう一踏ん張り だ。カラマツ林を抜けると前方が明るくなり、白樺が数本立つカヤ地に辿り着く。木曽馬の飼料に した草刈の名残りかも知れない。南方を振り返ると、坊主岳が間近にその右側に中央アルプス北部 の稜線が展望出来る。カヤ地からは一息で南北に長い山頂南端となり、平坦道を百メートル程歩く と二等三角点の高遠山に辿り着く。草刈り山だった広い山頂の周囲は樹林が生い茂り、当時の面影 はまったくない。眺望だけを楽しみに登る人にはあまりお奨めできないが、古(いにしえ)の雰囲気 を残す静かな山歩きはいろいろな山の顔を知ることが出来る。 |
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