2011.2.16■天候・晴れ 体力度☆☆ 難易度☆☆ 小笠・目次 山岳ガイドHOME

登攀中は北ア展望なんて目に入らない 牧場コース

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さあ、小笠(右端)を目指して行こう(リフト乗場から展望)
登山口〜小笠までのコースガイド写真  リフト乗り場 8:55出発
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1.気持ちいいっすネ、リフトって。
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2.えらく太陽が低いな、ゲレンデトップ 9:05
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3.取り合えず尾根筋に出る 9:17
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4.しばらくすると夏道道標がある 9:40
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まず最初の急登 9:55onMouse
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6.ラッセル交代 10:12
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7.稜線に出た 
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8.どうやって越えるのだ!この雪壁
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9.−−−−−
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何とか登りきった  onMouse後に続く(Photo by Yamaboshi)
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11.やせた雪稜線が現れる
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12.ルートはコメツガ樹林内
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13.この傾斜は40度ほど
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14.樹林を抜けたとたん…
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二回目の雪塊壁が現れるが… onMouseクリア
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16.最後の急登、ルートファインディング中
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17.登る
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18.難なくクリア
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19.そして辿り着いた 12:00
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小笠に向かい始めたが、右横斜面で小規模な雪崩が発生、登攀中止

休憩&行動食地で思う存分の展望
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シュカブラの向こうに御飯岳(中央)、黒湯山(左)

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北アルプス方面は御岳から白馬乗鞍まで全て見えた。手前中央は中倉山

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頚城山脈方面展望、日本海(谷浜方面)の水平線もくっきり

ピークまで行くことは出来なかったが、満足下山
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24.往路を下る
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25.ゲレンデが見えてきた
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復路ゲレンデトップ付近で見た小動物の足跡と樹影

■所要時間:往路160分/復路100分/全休憩を含む往復計280分
往路■ゲレンデトップ登山口→(45分)→夏道合流地道標→(60分)→コメツガ樹林→(60分)→小笠登山口広地

復路■小笠登山口広地→(70分)→夏道合流地道標→(30分)→山麓駐車地


ここ一週間ほど曇天の日が続いていたが、今日一日だけ全県下晴天予報、雪山装備一式を車載して高山村に向かった。
車道にはほとんど積雪が見当たらない。山田温泉を過ぎ、8時30分山田牧場に着いた。この時期のリフト運行開始は
9時、登山計画書を提出後、第一リフトで小笠コース登山口に向かった。ゲレンデトップに一番乗りだった。振り返る
と、真っ青な空の下にくっきりと一筋の白帯、北アルプスである。展望だけならここで十分満足、後からきたスキー客
もみんな感嘆の声を上げていた。ここでアイゼンを装着、出発した。

 二日前、県北部に降った大雪は、新雪のまま残っていた。歩き出してすぐ「カンジキにすれば良かった…」と後悔し
たが、後の祭りである。サラサラの新雪は膝上まで沈み、三人でのラッセル開始となった。もう景色どころではない。
ルートから少しでも外れると腰まで埋まってしまう。「嗚呼、先が思いやられるな、目標地まで辿れるだろうか?」と
思いながらも、黙々と雪を掻きわけ歩くのみだった。

 二、三度の雪塊急登を越え、幾分緩やかな尾根筋に辿り着き、小休止を摂った。しかしここで唖然とした。コース前
方に傾斜度30度以上はあると思われる大雪塊(写真8)が立ちはだかっていた。「どうやって登るのだ、それより登れ
るのだろうか?」ルートファインディング後、同行者Iさんが果敢に登り始めた。後続者二人もIさんのラッセルトレ
ースを辿り、登り切った。

 小雪庇が張り出していたヤセ尾根を通過して、最後の急勾配取り付き(写真15)まできた。見ると、軽量のウサギさ
え埋まってしまうほどの深い新雪を横切る足跡があった。そう言えば体重のあるキツネやカモシカの痕跡を見てない気
がする。壺足の動物だって敬遠するほどの深雪と言うことだ。
ここを登り切ると、第一目標地の小笠登山口道標がある林道出会いまで目と鼻の距離である。最後の力を振り絞り登り
切った。時計を見ると既に正午、三時間のラッセル登攀が終わった。全身から力が抜けた。

 最終目標地の小笠ピークに向かおうと、アックス・ビレーでIさんが登攀開始した。その時、運(?)良く20メート
ルほど右側斜面で小規模な雪崩が発生。もちろん小笠ピークは即中止。「もうこれ以上登攀しなくて済む、良かった」
安全な場所まで引き返し、ここを最終目標地とした。眺望を楽しみながら休憩、次回雪の絞まった頃、再度訪れる事を
小笠に告げ、往路を下山した。
イラスト登山コースマップ
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