コース解説
シャトルバス終点地の畳平はすでに標高2700mの高山帯、周辺には真夏でも残雪が見られる。
ハイマツ樹海に囲まれ、鶴ヶ池を見ながら緩やかに登る遊歩道も、不消ヶ池を過ぎると一息で広い砂
利道に出る。ここから登山道は摩利支天岳の北斜面を巻きながら肩ノ小屋に向う。途中コロナ観測棟
への分岐付近にくると東方が開け、カール状に広がる位ヶ原と乗鞍高原、幾重にも連なる山並みの彼
方に八ヶ岳や南アルプスが展望出来る。さらに右に大きく回りこむと乗鞍岳主峰がその姿を見せ、ほ
どなく肩ノ小屋に辿り着く。
小屋南側の登山道々標脇を通り過ぎ、乗鞍岳が火山だったことを窺がわせる火山岩(玉ネギ剥離状の
安山岩)のガレ道を歩く。ハイマツ以外の低木は全くないので展望はひじょうに良い。朝日岳の東斜面
をジグザグに登るとほどなく蚕玉岳(こだまたけ)に辿り着く。稜線右側を覗きこむと青く雪融け水を
湛えた高山湖権現池が間近に見られる。剣ヶ峰主峰へはここから一旦稜線鞍部に下り、登り返すと一
息で乗鞍神社本宮がある山頂に辿り着く。北アルプス南端に位置する乗鞍岳主峰は長野岐阜県境にあ
り独立峰の如く周囲の展望に秀でている。