★スポッティングの練習方法

注意:練習にあたっては、安全対策を実施して、コーチ等の指導者の下、実施してください。

スポッティングはチアリーディングにおいて、最も重要な技術の一つです。この目的は、フライヤーを落下時、安全に地上に降ろすためのものですが、もう一つ、フライヤーが練習を行う過程で、誰かに捕まれるということを理解することにより、安心して演技ができるといった効用もあります。

スポッティング技術は、必ずチアリーディングを実施するにあたり、参加者全員ができなければいけませんし、その学習をしていなければいけません。必ず基礎から学びましょう。同時に、コーチは常に選手のスポッティング技術の向上を図らなければいけません。以下に基礎的練習方法を記載します。

1 スポッティング感覚を学習します。

二人一組になって、1人はスポット役、1人はフライヤーの役割をします。フライヤーは両腕をタッチダウンの形にして、その脇をスポットが写真のように持ち上げます。スポット役の方の頭はフライヤーの腰の少し上にあります、これは、フライヤーの肘で頭を打たれることを防ぐ意味もあります。両腕はフライヤーを包み込むようにします。フライヤーはその間、体を引き締め、力を抜いてはいけません。持ち上げ、ゆっくり下ろす、この動作を繰り返します。ここでは、スポットにおける体の感覚を養ってください。

2 リフトまたコントロールの学習

フライヤーは練習中は常に体を引き締めていてください。スポットはその引き締めた体を一度持ち上げ、ゆっくりと地面に下ろします。この時、フライヤーは膝を使って、上に上がってはいけません。スポット役の方が自身に膝を使用して持ち上げるようにしましょう。これは、スポットのリフト感覚とフライヤーの体のコントロールを覚えるために重要です。そして、最大の注意点は、フライヤーを下ろすとき、優しく、ゆっくりと下ろすこれが大切です。フライヤーを優しくセットしてください。

この役割を代えて何度でも練習してください。

3 落下に対するコントロールの学習

ベンチ、折り重ねられたマットなど、安定した上にフライヤーは立ち、下部にスポットが位置します。フライヤーはタッチダウンモーションで体を引き締め、スポットはフライヤーの腰に手を添えます。同時にフライヤーはステップして下に降ります。その時、スポットは先の方法で、フライヤーを確保し、優しく地面に下ろします。この時、フライヤーの頭を中心線上に、スポットの頭も重なる位置になるように確保を行います。この動作を繰り返し、上部から落下するフライヤーのコントロールを学習します。同じくこれも、フライヤーを優しく下ろすことに注意を払うことが大切です。

4 繰り返し練習してください。

この方法は、とにかく、何かも練習してください。この高さでのコントロールが全ての高さのスポットの始まりとなります。自信がなければ、下にマットを引く方法も考えてみてください。スポットの練習でケガをしたのでは、何のための練習かわかりません。

5 ステップアップ

上記の練習を充分実施した後、ショルダースタンドからのスポティングに移行します。いよいよこの高さになると、通常のチアリーディングスタンツのスポティングと変わらなくなります、ですから、この高さので練習は、ショルダースタンド技術がフライヤーに無ければ実施してはいけません。この練習は複合的なスポティング技術の練習ですので、コーチ等の監視の下、実施してください。また、この練習はスポットは2人になりますので、実施する前に充分、話し合いを行い、タイミングや方法についてリハーサルを行ってください。方法は、先の練習方法と同じですが、高さが違いますので、十分注意してください。この練習は、フライヤーが降りる場合における、キャッチのタイミングを養う練習になります。なお、できたら、必ずスポットはフライヤーに触れていてください。(ハンズオンスポティング)

スポットは、フライヤーを注視し、降りるときは確実にキャッチして、優しく地面に降りして下さい。また、衝撃をやわらげるため、フライヤーも地面に着くとき、膝を使って衝撃をやわらげて下さい、なお、肘は基本的には曲げてはいけません。スポットにケガをさせる可能性があります。とにかく、練習あるのみです。     
阿部