★ チアリーディングチーム設立方法の留意事項
はじめに

 ここでは、チアリーディングチームを設立して運営していくためのヒントを記載しています。 

 ただし、あくまでも管理人の経験から思ったことを記載してあります 。すべて事象に、この内容が当てはまるわけではないですし、考え方が一般的なものではないことも含まれてい ます。また、記載内容に疑問点もあるでしょうが、その点もご了承の上、ご覧ください。
 
 1 現状を知り謙虚で

 選手として引退して、スポーツの指導者として活動したいと思ったとき、まず、現在あるチームのコーチとして活動するかあるいは、チームを創ってみようと考えるはずです。前者であればチームの中で先輩の指導者もいるでしょうからチームの指導方法を勉強し、良い指導方法を見つけていくことができ、 あとは自身の向上心を持ってすれば、特に問題はないでしょう。

 ただ、現在の日本におけるチアリーディングの指導者については、この点で問題があり、より良い解決方法も現状ではなかなかありません。少しその点についてお話しましょう。

 まず、チアリーディングがアメリカ発祥であることは誰もが認めることでしょう。

 日本のチアリーディングチームもまた、精神、技術力、スポーツとしての競技力も世界一の水準に近いことも間違いないと思います。チアリーディングを研究し私自身はまだ10年ほどしか 経過していない未熟者ですが、その間、多くの指導者やチーム、関係者と話や指導方法を見せていただきました。お伺いしたチームは数十チーム、メールでやりとりしたチームとなるとそれ以上になります。
私も当初、日本のチアリーディングのすばらしさに目を奪われ、また自身の未熟さにより、日本のチアリーディング技術は世界一であると考えていました。

 ところが、次第に日本におけるチアリーディングの状況を競技会や講習会で見たり参加したりしていて、何か釈然としないものを感じはじめました。思ったことをある団体の関係者に質問すると帰ってきた回答は「辞めてください。」でした。 その時、悲しさと同時に情けなさを感じた思い出があります。非常に残念でした。それでも、改善を願いまたしましたが、通じなかったようです。そこで、現代は非常に便利な時代で、インターネットでアメリカのチアリーディングの状況を調べることから始めました。

 私が調べ始めた当時はアメリカ国内でも、問題は生じていました。多くの競技会が開催され、多くの団体が主催していました。偏った審判の問題も表面化していました。審判の問題はインターネットや、少しですが日本のテレビ局でも扱っていました。
 ただこの問題は日本と違って人種的な問題や地域の文化の問題に原因あり、日本のチアリーディング競技審判のように人気があるチーム、ないチーム、コーチが誰かなどにより点数が 変わっているような感じを思わせるジャッジのような解決方法を考えれば、できるのにしないといった次元の問題ではありませんでした。この問題も先の団体に何とかしてほしいと訴えましたが、徒労でした。逆に子供たちが犠牲になってしまいました。その当時経過やこの団体からの文書と関係者に配布された文書ははすべて保存してありますので、いつの日かこの経過と総括をしたいと考えています。

(現在では、アメリカの主要団体が横のつながりを持って、世界選手権大会を開催しています。)

 なお、私は当時、日本のあるチアリーダーから日本のこうした問題への対処の方法をと質問をいただきましたが、無念ではありましたが、「全力を尽くして自身が満足すればそれで十分です。審判についてはどうしようもないことです。」と回答した覚えがあります。

注)最近あるチアリーディング関係の某掲示板を閲覧しましたが、いまだ同じ問題を議論していました。結局、10年進歩がなかったということでしょうか。

 さて、前置きが長くなりましたが、もしあなたがチームの設立を考えているとしたら、まず現在のチアリーディングの状況を知っておく必要があります。状況を知ることはチームを運営するに当たって、まずはじめに研究すべきことです。

 そうでなければ、まちがった認識でチーム運営をし、いやな思いをすることになります。

 もうひとつ、チーム指導者(運営者)として必要なことは謙虚になることです。

 また、コーチの選任に関して、現役のときに所属していたチーム名だけでコーチは選ばないことです。大会ですばらしい成績を残した選手がすばらしいコーチではないといったことを知るべきであり、もし、あなたがそうした経歴の持ち主でチーム運営と同時にコーチを兼任するのであれば、それはそれでコーチとして大きな武器になりますが、現役選手に対してそれを言ったとしても、選手は心の中でなんとも思ってはいません。 逆に心が離れていってしまいます。特にジュニアの選手にはうまく接しないと自慢に聞こえ、相手にされなくなります。

 あくまでコーチング力で選手はコーチを判断します。よく、どこかの有名チームのバックを持ってコーチしているコーチを見かけますが それはそれで自分のチームの誇りを持つことは大切ですが、大抵、お山の大将的なコーチをしています。コーチはチームの縁の下の力持ちに徹するべきであり、会社の社長でも総理大臣でもありません。

 そして、できればチームの運営(事務局)とコーチは兼任しないほうが私の経験から多くの問題に対処するに当たって、多くの目で問題解決の方法を見つけられるという点とチームが硬直化しないといった点から良いかと思います。

 また、チーム方針を決定する監督については、3年から5年で交代することをお奨めします。チームの硬直化と偏った考え方に流されないためです。もし、続けるのであれば、一旦、総括になるなどしてその間、多くのことを吸収し再度、監督になれば良いかと思います。そう考えれば、指導者は2人以上必要と考えられます。同時にできれば、ダンス、スタンツ、タンブリング、コンディショニングそれぞれのコーチを選任させるべきでしょう。いくらチアリーディングの経験者でもこれを全て一人でやることは、非常に困難を伴うとともに体が続きません。同時に多くの目でチームを見ることは安全性の面やチームの安定性の面でも大切です。 

 2 チーム設立に必要なもの

 チームの設立に当たっては、もっとも大切なものは情熱です。そして、チアリーディングが心から好きで最後までやりとおす魂が必要です。これは重要なことですので絶対に忘れないでください。ただ単に楽しそうだとか目立つからといった理由ではじめると絶対に後悔します。
 以下にチーム設立までの道のりを簡単記載します。

@ チームの設立の決意
A 自分の状況を考え、またどういったチームにしたいのか方向性を考える。(対象年齢、目標等)
B Aがある程度固まったところで、一緒にやる仲間を集める。(探す。)
   *これはとても大切なことです。前にも記載しましたが、仲間は絶対必要です。
C 仲間ができたら、役割(代表者・事務役割・指導者役割等)を確認して、運営に関してのアウトラインをAを基に作成する。
D 会場の確保・チーム運営費(月)の額・チーム員募集方法等の詳細を決定する。
E 運営方法、練習方法、チームの目標の最終確認
F 募集し集まった方へチームの設立経過、目標、運営費等の説明会の開催
G 第一回のチーム練習開催 

 以上が簡単な設立までの道のりです。とにかく情熱を持って進めていけば、必ず成功します。時間がかかっても地道にゆっくりと進めることが成功への道です。

 最後にはじめる前の大切なことは先に記載しましたが、始めた後のことでおぼえておいて頂きたいことがあります。

 それは、準備段階でのチーム設立の頓挫(色々な事由で)はあまり問題にはなりませんが、いったんはじめた後はそう簡単にはチームを解散したりできません。それはあなた自身の信用にもかかわってきます。

 いったんはじめたら、大変であろうと続けていかなければいけないということを覚えておいてください。

(管理人)2008 秋 改訂