実際の指導の場面では指導者は、あの手この手とやり方を考えます。
指導計画や練習計画が立てられているのは当たり前のことですが、
すでに計画はたてられているからといっても、それは進んでいく方向に対しての道標のようなものであり、
場面場面で実施者の実施状況に対応するものではありません。
指導者がそこにいる必要性は、当然道標の示す方向から外れないようにチェックする事であり、
そして、もっと大切なのは場面場面での適切な介助であるのです。
@ 明確な言葉での説明・指示
言葉はいろいろな機能を発揮します。
指導者の意図を実施者に伝えるのも言葉であろうし、指摘する内容の意味も大変重要です。
また、言葉ひとつで励まされる事もありますし、スポーツが嫌いになってしまう事も出てきます。
例えば、実施者がそこでやるべき方法が一つしかないような場合には、やり方を指定するような
言葉でなければなりませんし、いろいろと選択させながら自由にやってよいようなところであったら、
その内容が伝わるように言わなければなりません。
このいずれかの判断は「安全」が基準になります。
指導者の指示が曖昧になると、実施者のやることも曖昧になったり、そのことによって思わぬ事故が
起こる事も十分にありえます。 「根拠のないことはしない・させない」
A 練習方法の工夫
一般的に書かれている指導書はあくまでも一般的であり、
平均化されたやり方であるという認識に立ったほうが良いでしょう。
その為に、個人個人に合ったものを考えるとしたら、それらをヒントにして、さらにいろいろな工夫をすべきです。
なぜなら、運動を実施する環境は様々であり、実施者もそれぞれにそれまでの過程をもっており、
実施者の持つ条件を十分に分析して方法を考えることが基本だからです。
さらに自分の体験だけに頼っているとか、参考書だけに頼っている状態では進歩が望めないからです。
B 方法的運動系列
運動技能を修得させるとか、演技の組み立てを指導する場合は、
方法的運動系列や方法的演技系列を組むことが必要です。
系列という言葉を使用する意味は、段階的に進む順序が定められているという事です。
すなわち、方法的ということにおいて、その順序は検証されたもので、運動学習の段階的な面や
「技術」の面からも十分に検討されたものであるということになります。
逆に言えば、段階的な技術向上プログラムやチームの長・中・短期目標に対するプログラムが
綿密に計画された正しいものでなければなりません。
この方法的運動系列や演技系列というものは、大枠的な計画をさらに細分化した計画であり、
実質的な練習の内容を示すものとなります。
☆こんな事に気をつけよう☆
○ アドバイス等の発言には責任があります。責任を持てる発言が出来るようにしましょう。
○ 指導の際は色々な角度から観察しましょう。
○ 良いプレーはすぐに誉めましょう。間違ったプレーはすぐに修正しましょう。
誉めるということはご褒美です。
時々ご褒美が与えられて強められた行動は、毎回ご褒美が与えられて出来上がった行動よりも
はるかに消滅しにくい。=たまの成功というご褒美が我流のやり方を強めている。
→間違ったやり方でも何かの拍子に成功してしてしまうと、その悪い癖が抜けなくなる事を言います。
○ アドバイスは的確・簡潔に一貫性を持とう。
○ アドバイスだけでは上手くならない。運動量を確保しよう。
○ 指導者になったなら、常にたくさん勉 強しましょう。←指導者にとっての最も大切な基本項目のひとつです。
日本における指導者講習会や合宿などで疑問を感じるコーチングを教示している場合が多々あります。 しかし、その場合は無理して疑義を唱えたりすることは、現状では時間の無駄であり、そのような場合は心の中で「このような指導はしないように注意しよう。」と反面教師にしてください。ただし、コーチングの方法にはいろいろな方法がありますので、それが本当に誤りか見抜く力も必要です。 ですから、講習会や合宿において、コーチング方法の誤りに気がつくような勉強をすることが今の日本のチアリーディングコーチには求められます。 スタンツ系チアリーディングは体操を基本としつつダンスや他のスポーツの要素が非常に絡み合ったスポーツですので、この要素すべてのコーチングを行うには2日〜3日位の講習会ではマスターすることはできないことを認識しましょう。 そして、一番大切なのは常に謙虚でいることです。どんなに良い成績を収めるチームにいたとしても、驕ることの無いようにしましょう。 近年、ある有名競技チアリーディングチーム出身のチアリーダーのお山の大将的コーチを見て、情けなくなってしまった経験をしました。 しかし、こうした人物の性格は残念ながら治らないかもしれません。このページを見ているチアリーダーには是非注意して頂きたいと思います。 ぜひこれを覚えておいてください。コーチ資格以上にコーチ経験が大切です。 指導において選手経験は役には立ちますが、指導能力の評価とは別です。 できれば、 経験のある指導者に1年以上は付いて、指導方法やスポーツに関する知識を勉強し、それから本格的な指導を行うようにすべきでしょう。 勘違いをしてしまうと指導するという座に就く事により自分の力を示すという満足感を
気づかぬうちに味わっているかもしれません。
卒業生の先輩がたまにやってきて、指導者気取りになり、その日の気分で「ああしろ、こうしろ」と
指示を出している人を見かけますが、この感覚に近いのではないでしょうか。
そんな人は大抵、言いたいことを言って自分だけ満足して帰っていきます。
しかし、選手はコーチを満足させるためにチアリーディングをしているわけではありません。 お互いの為になりませんね。
スポーツでも勉強でも生活でも同じように学習のプロセス、その進み具合に応じて指導しないと
選手を混乱におとしいれます。
そういう人は来るなと、いっているのではなく、
たまにしか見られない人は、指導に入る前に十分な打ち合わせをすればよいのです。 打ち合わせと計画のない指導は選手を上手にさせるよりも混乱させることが多いのです。
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